腎臓の4つの働き

1、尿で体内の老廃物を排出

腎臓は血液をろ過し、体内の老廃物や余分な水分・塩分を尿として体の外に排出します。腎臓の働きが悪くなると尿が出にくくなり、老廃物が体内に蓄積して尿毒症になる危険があります。

2、体内のバランスを整える

腎臓は体内の水分量やイオンバランスを調整。腎臓の働きが悪くなると余分な水分などが体内に溜まり、むくみの原因になります。

3、血圧を調整する

体内の塩分と水分の排出量をコントロールすることで血圧を調整するのも腎臓の働きのひとつ。腎臓が働きが低下すると高血圧になることもあります。

4、血液をつくる

血液(赤血球)は腎臓から出るホルモンの刺激でつくられます。腎臓の働きが悪くなるとホルモンが出なくなるため血液が十分に作られず、貧血になることがあります。

急性腎障害と慢性腎臓病

急性腎障害は何らかの原因で急に腎臓の働きが低下する病気です。原因の治療で腎臓の働きが回復する可能性があります。
慢性腎臓病は様々な原因により、尿に蛋白や血液が出たり、腎臓の働きが不十分になった状態です。
長い期間かけて徐々に腎臓の働きが低下していき、腎臓の働きの回復は望めません。また、心臓・血管の病気にもかかりやすくなります。

慢性腎臓病になりますと、体の中に老廃物が溜まってきて、尿量に異常がみられ、むくみ、高血圧などがあらわれます。慢性腎臓病が軽度な時期には、食事療法や薬物療法を行いますが、さらに進行し末期に至ると、透析あるいは腎臓移植が必要となります。

慢性腎不全

慢性腎不全は、腎臓の機能が数カ月から数十年かけて徐々に低下し、正常時の30%以下の働きしかできなくなる状態。一度発症すると腎機能の回復は見込めず、進行すると命に危険をきたすため、人工透析や腎移植の必要があります。
腎機能の低下にともなって現れる症状。

  • むくみ

    体内の余分な水分が排出されないため体がむくみ、水分によって通常の2〜3kg体重が増加します。

  • 尿量の変化

    腎機能が低下すると尿量が増加し、夜間頻尿になることが多くあります。さらに腎機能の低下が進行すると、尿量が減ります。

  • その他

    だるさ、貧血、皮膚のかゆみ、アシドーシス(尿中に水素イオンを排泄できなくなり、血液の酸性が強くなっている状態)など。

慢性腎不全の治療法

糖尿病や高血圧など、慢性腎臓病の原因となっている疾患の治療が重要です。一定レベルまで悪化してしまうと腎機能が回復する見込みはほとんどないため、腎不全の進行をできる限り抑えて透析治療への移行を遅らせることが治療の目的となります。
減塩・タンパク制限などの食事制限や生活習慣の改善に努め、成果が得られない場合は薬による血圧、血糖、血中脂質のコントロールなどが必要です。こうした治療を行っても腎機能の低下が進行した場合には、透析治療か腎臓移植が必要となります。

慢性腎不全を予防するために

慢性腎不全を予防するには、腎不全の予備軍である慢性腎臓病を見逃さないことが大切です。しかし腎臓病はかなり悪化しないと自覚症状が現れないため、定期健診が重要。慢性腎臓病の多くは、血液検査や尿検査により早期発見できます。

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